少子高齢化が進む日本では高齢者の一人暮らしが増加し、年々高齢者向け住宅の需要が増加しています。
身体が不自由になり、階段の上り下りが難しくなったり少しの段差にも躓くようになると、戸建住宅での生活は危険と隣り合わせに。
そのため、持ち家を売却し、その資金を元手に生活しやすい賃貸物件に住み替えるという高齢者も増えています。
では、自分が高齢になった時に生活しやすい賃貸物件とはどんなものなのでしょうか。
バリアフリー対応のマンション
戸建て住宅とは違い、賃貸物件には室内の段差が少ない特徴があります。
さらにバリアフリーに対応していれば、高齢者の生活はさらに快適に。
バリアフリー対応のマンションなら玄関や各部屋の入り口の段差も無く、万が一車椅子の生活になった場合もそのまま暮らせます。
また、廊下やトイレの広さも車椅子を想定した間取りとなっており、各所に手摺りが設置されているなど高齢者の暮らしやすさに配慮がされています。
間取りもシンプルな作りとなっているため車いすでも移動しやすく、無駄なスペースを作りません。
一般のバリアフリー物件は住人を高齢者に限定していませんので、様々な世代が暮らしています。
時には元気に遊ぶ子供たちの声が聞こえるなど活気が感じられ、住人同士異世代間の交流が持てるのもバリアフリー対応のマンションの良い点ですね。
行政認定の「高齢者向け賃貸住宅」
これまでは民間が運営するバリアフリー賃貸についてご説明しましたが、次は行政が認定している「高齢者向け賃貸住宅」をご紹介します。
この賃貸物件には室内がバリアフリー対応はもちろんのこと、万が一の時に医者や介護者に繋がる緊急通報装置が設置されています。
最近では、ヘルパーや介護福祉士が常駐して見守りや掃除、食事の世話などもしてくれる「サービス付き高齢者向け賃貸」等も人気が出ています。
このような賃貸物件に暮らすには、決められた一定の基準を満たしていることが条件です。
さらに自治体による助成金活用などで費用面の負担が軽減できるメリットもあります。
年齢を重ねて、一般のバリアフリー賃貸での暮らしに不安が出てきた場合、このような「サービス付き高齢者向け賃貸」に住み変えることも可能です。
高齢者が暮らしやすい立地
高齢者にとっての生活のしやすさは、周辺環境にも大きく影響されます。
一昔前は「リタイアしたら自然が多い田舎に暮らそう」と考える人が多くいましたが、公共交通が未発達の田舎では不便なことも。
最近では高齢者ドライバーの事故が相次いで報道され、社会問題にもなっていますね。
そのため、電車やバスなどの公共交通や商業施設が充実していて暮らしやすい都市部にそのまま暮らし続けたいと考える高齢者が増加しています。
賃貸を探すなら、何かあった時に声を掛けやすいよう親族が住む家の近くであったり、通院している病院のそばの物件、また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど買い物がしやすいお店が近くにある事も条件として考えると良いでしょう。
誰にでも訪れる高齢期。
その時に住まいで苦労しないために、早めにバリアフリー物件に住み替えを検討していく事も必要かもしれません。